買うならマンションと戸建て、どっちがおすすめ? それぞれの特徴とデメリットを解説
防災性の比較
また、地震大国の日本で重視したいのは、やはり耐震性です。現在の耐震基準で建てられたマンションは、震度5クラスの地震でほぼ損傷せず、震度7クラスの大きな地震がきても倒壊しない程度の強度となっています。震度7クラスの地震では、戸建ての場合、ほとんどが倒壊してしまいます。
さらに、不燃性のコンクリートで建てられているマンションは防火性にも優れています。木造が一般的な戸建てと比較すると、防火性の点ではマンションの方が圧倒的に優秀です。このことは火災保険の金額にも影響し、マンションの方が戸建てよりも火災保険料が安い傾向にあります。
防犯性の比較
オートロックや防犯カメラが設けられていることが多く、防犯性ではマンションの方が優れています。近年では戸建て向きのホームセキュリティも充実していますが、空き巣の被害数は圧倒的に戸建ての方が多い状況です。
戸建ては、在宅しているかどうかが外から分かりやすく、1階にも居室部分があることが多いため、戸締りのし忘れなどには特に注意しなければなりません。
利便性の比較
マンションは駅や商業施設など、利便性が高い場所にあることが多く、立地に優れています。しかし、エントランスから自宅までは距離があり、駐車場からならなおさらです。買い物帰りに駐車場からたくさんの荷物を運ぶのには苦労することもあるでしょう。エレベーターは朝の通勤時間には混むことが多く、高層階だとなかなか使用できないといったケースも考えられます。
戸建ては、繁華街や駅からは離れた場所にあることが多く、立地の点ではマンションには劣ります。しかし、にぎわう場所から離れているからこそ、夜は静かに過ごしやすいというメリットがあります。また、自宅にガレージがあれば、玄関はすぐ近くにあるので、たくさんの荷物を家に運び入れる際のストレスをマンションほど感じることはないでしょう。
立地以外の点では、マンションはさまざまな設備やサービスで充実していることが挙げられます。例えば、曜日を気にせず24時間ゴミが出せたり、住人用の大きなキッチンやパーティルームがあったりするのは、マンションならではのことです。また、廊下やエントランスなどの共用部は管理会社によって清掃や点検が行われます。
防音性の比較
壁や床、天井などの素材で考えると、防音性は戸建てよりもマンションの方が高いと言えます。しかし、上下左右の部屋に人が住んでいることを考えると、一定の配慮は必要になるでしょう。
戸建ては外壁や道路などで隣家と一定の距離があるため独立性が高く、実は戸建てはマンションよりは騒音トラブルが起きにくい傾向にあります。
ご近所付き合いはマンションの方が多い
マンション内では、壁を隔てて住民が共同生活をしています。分譲マンションには住民で構成される管理組合があることからも、隣人などとのご近所付き合いは、マンションの方が多いと言えるでしょう。
リフォームの自由度の比較
マンションでは自身が居住するスペースが専有部、廊下やエントランスなどは共有部となっており、自由にリフォームができるのは専有部のみです。玄関ドアの外側、窓ガラスなどは共有部となるので、自由に塗装をしたり、別のものと入れ換えたりすることはできません。また、ベランダも共有部にあたるため、ガーデンニングが禁止されていることがあります。共有部をリフォームしたい場合には、管理組合に許可を得る必要があります。
戸建ての場合は、土地や建物のすべてが自分の所有物ですので、リフォームはもちろん、建て替えも自由に行えます。
駐車場代
敷地内の駐車場を使用するには別途費用が必要です。駐車場代は立地で大きく料金が異なり、東京23区内であれば月額3万~4万円程度が相場となっています。
管理費
管理会社に支払う費用が管理費で、エントランスやゴミ捨て場の管理などのために支払います。月額で1万~2万円が目安です。
修繕積立金
修繕とは外壁や廊下の損傷に対する補修、住民が共用する設備を交換することなどをいいます。分譲マンションでは、10数年ごとに大掛かりな修繕工事が行われ、そのために毎月1万~2万円ほどを住民が積み立てています。修繕積立金はマンションの購入価格には含まれていません。
また、中古マンションの場合、管理組合が上手く機能していないことなどが理由で、修繕積立金が十分に積み立てられていないことがあります。その際は、修繕のために大きな金額が急に必要になることもあるので、購入前に積立状況の確認をすることをおすすめします。
不動産を探す段階ではマンションと戸建ての両方を検討しよう
マンションと戸建てはそれぞれに魅力があり、自身が望む暮らしによっても住みやすさは異なるでしょう。
マイホームを購入する際には、初めの段階ではマンションと戸建ての両方を候補に入れ、比較検討しながら自身が住みたい家のイメージを固めていくことをおすすめします。